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明るくしすぎない家が心地よい理由

2026-09-24

ソファに座って、天井を見上げてみてください。

同じ間隔で並んだダウンライト。畳数の表どおりです。

顔を上げると、まだ眩しい。夜になっても、部屋が落ち着かない。

あかりの数は足りている。座っている場所の明るさが、足りていない。

先に見るのは、どこに座るか、どこで本を読むかです。天井に何灯並べるかは、そのあとでよい。

昼は窓の光。手元だけ足す。くつろぐときは、あかりを選ぶ。明るさを、その日の過ごし方に合わせて変えられる家です。

暗くすることではない

日本の家は、作業する場所も、くつろぐ場所も、同じ明るさになりやすい。コンビニのように、どこも同じだと、目は休めません。影も、奥行きも、感じにくくなります。

ホテルやレストランを思い出してください。明るくしたい場所がはっきりしていて、それ以外は穏やかです。居場所の明るさが、過ごし方に合っているかどうかです。

新築であかりを決めるときも、同じところから始めます。座る場所を見る。照らしたい面を見る。照明とスイッチは、そのあとです。

吹き抜けの食卓。ペンダントと壁のあかり、昼の光

食卓のペンダントと、壁のあかり。天井に点を並べる前に、照らす場所が見えています。

ダウンライトは、座る場所から置く

天井を上から見て整っている配置でも、ソファから見ると眩しいことがあります。暮らす人は座ります。横にもなります。目の先にあかりそのものが見えると、眩しい。

座った顔と、横になった顔を見る

間取り図にソファを置き、座る向きと、横になったときの顔の位置まで見ます。真上だけ避ければ足りる、と一点を決めると、向きと光の広がりが抜けます。

食事、読書、くつろぎでは、欲しい光が違います。家具の位置が決まる前に天井の点だけを並べると、使い方とずれます。

窓辺の椅子に座る人と、壁のあかり

座って本を読む場所。天井ではなく、壁のあかりが届いています。

照らす場所を三つに分ける

リビングのあかりは、仕事で分けると見えてきます。

  • 手元の光

    食卓、読書、子どもの宿題。自分の体や手で、影をつくらないかを見ます。

  • 部屋を感じる光

    壁、天井、棚。目の先に、明るい面があるかを見ます。

  • 歩くための光

    出入口、通路、段差のまわり。家具を置いたあとでも、足元が見えるかを確かめます。

食卓にはペンダント。読書には手元のあかり。全部をダウンライト一種類に任せると、くつろぐ場所まで一度に明るくなります。

日本の家は、コンビニみたいに明るすぎることが多い。くつろぐ場所まで同じ明るさにする必要はない。必要なところだけ照らす、という考え方です。

建築家・塚本光輝

畳数だけでは、数は決まらない

「何畳なら何灯」「何メートルおき」。気になる数字です。同じ畳数でも、天井の高さ、ライトの明るさと光の広がり、壁や床の色、ほかの照明があるかどうかで、見え方は変わります。

広く届けるライトと、狭い範囲に集めるライトでは、同じ間隔でも照らされ方が違います。数は出発点。間取りと合わせて見るのは、「この一つは、何を照らすのか」です。

同じ間隔が合う部屋もある

広く作業をする部屋なら、同じ間隔は向いています。一定の明るさが要るからです。過ごし方がいくつも重なるリビングでは、並べること自体を目的にしないほうがよいです。

畳数から決める順番

  1. 広さを見る
  2. ライトの数を決める
  3. 同じ間隔に並べる
  4. 暮らしに合わせる

4D//STUDIO.MIKAWAの順番

  1. 座る場所を見る
  2. 照らす面を分ける
  3. 照明とスイッチを選ぶ
  4. 明るさを変えられるようにする

数を先に決めるか、居場所を先に決めるか。

床だけでなく、壁も明るくする

床やテーブルは明るいのに、部屋全体は沈んで見えることがあります。目に入る壁と天井が、どう照らされているかを見てください。

天井のライトを増やす以外にも、壁のそばのスタンドや、棚を照らす小さなあかりで、光を届ける面を変えられます。間接照明を付けただけでは、眩しさは消えません。ライトの見え方、壁や天井の色でも変わります。座った場所から、何が見えるか。

ソファの向こうに、食卓とキッチンのあかりが見えるリビング

手前はソファ。奥は食事とキッチン。天井の点だけに任せない、部屋の使い分けです。

4D//STUDIO.MIKAWAのギャラリーにも、家具とあかりの位置が分かる住まいを載せています。

中庭と影のある住まいをギャラリーで見る

昼と夜で、点けるあかりを変える

新築であかりを決めるときは、夜に全部点いた状態だけを見ません。昼の使い方も想像します。晴れた日の窓際と、曇りの日の部屋の奥では、足したい光が違います。

18_(船橋邸 埼玉県八潮市)

夜の食卓でも証明の点け方で、お部屋の姿が変わります。

食事のときは食卓を中心に。片付けのときは作業する場所を明るく。読書のときは手元のあかりを足し、くつろぐ場所は控えめに。同じ部屋でも、使うあかりを選べると、その日の過ごし方に合わせられます。

ソファで本を読むとき。部屋全体を明るくしなくても、過ごす場所は足ります。

明るさを変える機能と、光の色を変える機能は、別物です。暖かい色に変えても、必要なだけ暗くなるとは限りません。出入口で何を点けるか、ソファで何を切り替えたいか。毎日の動きに沿って考えておきます。

照明を建物のあとで選ぶと、予算が足りなくなることがあります。どの場所にどんな光が要るかを、間取りの段階で分けておくと、見積もりの話が具体になります。

今の家で眩しいときに、先に試すこと

すでに暮らしている家では、先に「どの姿勢で、どの照明が気になるか」を確かめます。全部を変える前に、気になる場面を一つに絞るためです。

点け方と、ソファの位置を変える

照明を別々に操作できるなら、気になる範囲を消して、手元のあかりで足りるかを試します。ソファの向きを少し変えると、あかりが目から外れることもあります。眩しさを減らすことと、手元や通路の明るさを残すことは、別々に考えます。

照明を替える前に、今の電気のつなぎ方を確認する

光る部分を天井の穴の奥へ引っ込めたタイプもあります。どの角度からも眩しくない、とは限りません。置き方と合わせて見てください。明るさを変えるスイッチの追加や、照明の交換は、今の電気のつなぎ方と合うかを、工事をお願いする会社に確認してください。布や紙で覆う、自分で中を改造する方法は避けます。

照明は、品番を選ぶだけでは終わりません。窓の光、ソファの向き、スイッチの位置までつながっています。

打ち合わせでは、いちばん長く過ごす場所、食事や読書に欲しい明るさ、今の家で明るすぎる場所と暗く感じる場所。そこを言葉にしてみてください。品番が決まっていなくても構いません。今のソファの向きだけでも構いません。

よくある質問

あかりの相談で、よくいただく質問です。

ダウンライトは、何畳に何灯が目安ですか

天井の高さ、壁や床の色、ほかの照明の有無で、条件が変わります。広く作業をする部屋なら、同じ間隔が合うこともあります。ご自分の家では、ソファに座った位置から「この一つは何を照らすのか」を見てみてください。図面に並んだライトの数では、眩しさは分かりません。

ダウンライトが眩しいときは、全部交換したほうがよいですか

気になる姿勢と、一つのあかりを先に特定します。点け方を分ける、座る位置をずらす、手元のあかりで補う。照明を替える前に試せることもあります。交換や、明るさを変えるスイッチの追加は、今の電気のつなぎ方と合うかを工事の会社に確認し、自分で中を改造する方法は避けてください。

間接照明を入れれば、ダウンライトは少なくできますか

役割を分けると、全部を一度に点けなくてよくなります。照明の名前より、座った場所から何が見えるかです。食卓、壁、通路を分けて担当させると、ライトの数も整理できます。

照明は、間取りが決まってから考えればよいですか

間取りと同時に考えたほうが、ずれは少なくなります。昼の光、ソファの向き、スイッチの位置は、建物側の条件です。品番が決まっていなくても、「ここで本を読みたい」という過ごし方から話せます。照明を建物のあと回しにすると、予算が足りなくなることもあります。見積もりのどこまでが照明の話か、打ち合わせで確認できます。

まとめ

「ダウンライトは、何灯置けばいいですか」

畳数の表には、答えがありません。ソファでどんな姿勢になるのか。どこを明るくしたいのか。照明とスイッチは、そのあとに続きます。

建築家が手描きした住宅の平面・立体スケッチ
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